あいあーとトップページへ

〜NPO法人化を準備中〜

自己回復したA子さんの記録

絵やその他創造的な活動表現には、人の心の姿と成長の変化が現れています。
自己の力で創造的な仕事を成し遂げる達成感は、主体性と個性を発揮し、生きる喜びそのものです。
さらに、心の癒しであり、祈りでもあります。

ここに紹介するのは、17歳の時に登校を拒否し閉じこもり状態から回復した一人の少女の記録です。
A子さんが精神分析家の木田恵子先生からの紹介で相談室にやってきた時には、すでに不登校が続いたあとの沈滞期から
少し回復し始めていました。
教育熱心でしっかり者の母親でしたが、木田先生のノンビリ待つことと言う助言を辛抱強く守ったのが効果をあげ、
外出できるようにまでなりました。
そこで絵が好き、とういこともあってこちらにやってきたのです。

あしたはたのしいピクニック
「あした天気になあれ」とぼくは
てるてるぼうずを作った。
学校のような強制が全くないフリースペースということが分かり、少しずつなじんでいきました。
粘土や指絵のようのものは気持ちが悪いと言って嫌うので、かなり潔癖なしつけを受けていたことが分かります。
ところがマンガの模写や、絵にはなかなかのユーモアとセンスの良いのが見え、連続性もあったので、絵本にまとめる事をすすめてみました。
いやな予感はあたった。
冷たい雨がてるてるぼうずの
体をぬらした。てるてるぼうずの
心は暗いあまぐものように
重く沈んだ。
すると、その頃から急に元気になり、意欲的にもなったのです。

自分で焼いたケーキを持ってきて友達にふるまったり、人間関係もでき始めています。
朝、目がさめると雨がふっていた。
ぼくはがっかりした。
でも、もっとショックなことにぼくの
てるてるぼうずが消えてしまっていたんだ。
まちがいはだれにだってあることなんだ。
ぼくはおこってなんかいない。
「どこへ行ったのてるてるぼうず」
「帰っておいで、てるてるぼうず」
「帰っておいで、ぼくの分身」
何かを創り出せる手応えをつかんだのが自信回復につながったようです。
雨がふってしまい責任を感じた
てるてるぼうずは家出をしてしまいました。
雨はどんどんひどくなっていった。
どしゃぶりの中を泣きながらトボトボ
と歩いていると・・・・・・。
この絵本の『てるてるぼうず』は4ヶ月足らずで仕上げました。
アイデアも次々に湧いて、集中力のある仕事ぶりでした。
1度、自分の感性を燃焼することを知った彼女は、これからは何冊も作るのだと張りきっていました。
池の中でかえるたちが
楽しそうにうたをうたっている。
雨がふってよろこんでいるかえるたちをみて、
てるてるぼうずは心がなごんでいった。
『てるてるぼうず』は彼女にとっては最初の作品ですが、子供たちにも大人たちにも好評で、中には涙ぐんで感動する人もいました。
てるてるぼうずは立ち直った。
そしてもう1度やり直そうと思った。
雨はもうすっかりやんでいて、
きれいなにじが出ていた。
雨が降ったことはテルテルぼうずにとっては不可抗力です。それでも自責の念で家出をしてしまう。
そんなところが共感を呼んだのでしょう。
夜空には星がかがやいていた。
お月さまも顔を出していた。
「あしたはきっといい天気だね」
この物語は、周囲の期待に応え、良い子であろうとして背伸びをしながら無理に無理を重ね、ついにダウンした彼女自身の生活史だったと思います。
その苦しみをテルテルぼうずに託して吐き出し、さらに自分を表現するエネルギーを取り戻したのです。
おわり
この時期から古墳発掘のアルバイトを始め、今は高校の通信教育を自分から受けて、仕事を学業を両立させています。

人は苦悩と痛みを乗り越えながら成長していきます。A子さんは、自分の力で生きはじめたのです。
TOPへ戻る